先日、Xに自宅ラボの様子を投稿したところ、たくさんの反応をいただきました。
特に反応が多かったのが、1×4材を使ってDIYした木製ラックです。
「これどうやって作ったの?」
「設計図を見てみたい」
といった反応をいただいたので、今回は実際に使った材料や設計、製作過程、そして作ってみて分かった失敗点までまとめてみます。
DIY初心者が、できるだけ自分の環境に合わせて作ったラックです。
完成した状態だけを見るとそれなりに見えますが、実際には寸法を間違えたり、後から補強が必要になったりと、いくつか失敗もありました。
これから自宅ラボ用のラックを作ってみたい方の参考になればと思います。
1. 木製ラックを作った理由
これまでは、無印良品の竹製3段ラックに自宅ラボの機器を置いていました。
当初は特に問題を感じていなかったのですが、Proxmoxのノードを3段に積んで使っていると、下の段のサーバーを開けるときに問題がありました。
下段のサーバーをメンテナンスするためには、ケーブル類を外し、その上に載せているサーバーを一度どかす必要があります。
また、竹ラックは1段あたりの高さにも制限があります。
そのため、これまでは上段にサーバー、下段にネットワーク機器というように、機器の種類によって置き場所を分けていました。
そこで、19インチラックを使って機器をまとめ、必要な機器へアクセスしやすい環境にしたいと考えました。
もう一つの理由がUPSです。
UPSを置く場所がなく、これまではデスクの足元に置いていました。そこで、今回作るラックの中にUPSも収められるようにすることにしました。
自宅ラボの機器が増えてきたこともあり、「そろそろラックが欲しい」と思ったのが今回のDIYのきっかけです。
2. 完成した木製ラック
今回製作したのは、1×4材を組み合わせた木製のラックです。
中央にサンワサプライの12Uラックを固定し、周囲を木材で支える構造にしました。
外形は、おおよそ幅533mm、高さ910mm、奥行400mmです。
19インチラックのマウント幅は495mmなので、ラックを木製フレームの中に収める構成にしています。
(SNSにアップした画像↓)

(設計図的なもの↓)

ラック部分にはネットワーク機器やサーバーなどをラッキングし、その下のスペースにはUPSなどを置けるようにしました。
木製なので一般的な金属製ラックとは少し雰囲気が違いますが、自宅の環境に合わせてサイズや構造を決められるのがDIYの面白いところです。
3. 使用した材料・工具
今回使用したものは以下の通りです。
| 種類 | 使用したもの |
|---|---|
| 木材 | 1×4材(厚19×幅89×長1820mm)4本 |
| ラック | サンワサプライ 卓上19インチマウントラック 12U ブラック CP-TB12UBK |
| 固定 | 木ねじ(3.3×35mm) |
| レール固定 | ワッシャー(M4用10mm) |
| レール固定 | タッピングねじ(4×10mm) |
| 工具 | きり |
| 接着 | ボンド |
※材料や商品の詳細、購入先などは必要に応じて追記します。
サンワサプライのラックなど、今回使用した機材については、実際に使用したものを中心に紹介しています。
・サンワサプライ(Sanwa Supply) 卓上19インチマウントラック[12U] ブラック
・角利(KAKURI) ドリル錐 ストレート刃 & テーパー刃 最大穴径3.0mm 収納式 ハイス鋼ドリル刃 収納 永切れ きり キリ 貫通穴 下穴 DIY 日曜大工 道具 工具 41883
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4. 設計で考えたこと
今回のラックを設計するときに、特に意識したのが「横幅」「奥行き」「通気性」の3点です。
横幅は600mm以内
まず、設置場所の都合から、ラック全体の横幅を600mm以内に収めたいと考えました。
19インチラックなので、機器を取り付ける部分は19インチ規格に合わせる必要があります。
ただし、木材の厚みやラックを固定する部分もあるため、単純に19インチの幅だけを考えればよいわけではありません。
実際、この部分は製作時に失敗することになります。
奥行きは400mm程度
次に奥行きです。
ネットワークラックを選ぶ場合、奥行きが大きくなると設置場所との兼ね合いが出てきます。
一方で、業務用のサーバーラックまで大きくすると、自宅に置くにはサイズ感が大きくなります。
そこで、今回使用する機器の奥行きを考え、ラック自体の奥行きを400mm程度にしました。
ただし、後述するように、奥行400mmのラックマウントケースを前側だけで固定すると、後方が下がってくるという問題が発生しました。
通気性を確保する
もう一つ意識したのが通気性です。
木材で周囲を完全に板で囲ってしまうのではなく、1×4材を組み合わせてフレーム状にしました。
これなら空気の通り道を確保できます。
また、板を全面に貼るよりも材料を少なくできるため、コスト面でもメリットがあります。
「必要な強度を確保しながら、できるだけシンプルにする」という考えで設計しました。
5. 製作1日目|木材の加工と仮組み
今回の製作で最初に困ったのが、電動工具を持っていなかったことです。
もちろん手動工具も十分に揃っているわけではありません。
そこで、木材のカットはホームセンターにお願いすることにしました。
必要な長さにカットしてもらった1×4材を家に持ち帰り、まずはラック全体の組み方を確認します。
次に、ねじを打つ位置を決めていきます。
今回は、きりを使って下穴を開けました。
いきなり本締めしてしまうのではなく、まずボンドを使って木材を仮止め。
全体の位置や形を確認してから、次の工程へ進むことにしました。
DIY初心者なので、最初から完璧に組み上げようとせず、「一度仮組みして確認する」ことを意識しました。
1日目はここまで。
ボンドが固まるまで、1日置いて乾燥させました。
6. 製作2日目|ねじ止め・レール取り付け・ラッキング
2日目は、仮止めした木材をねじで固定していきます。
木製フレームが形になったところで、19インチラックのマウント部分を取り付けます。
今回使用したラックの固定には、木ねじやワッシャー、タッピングねじを使いました。
ラックマウントレールの位置を確認しながら固定し、実際に機器を取り付けていきます。
ここまで来ると、ただの木材だったものが少しずつ「サーバーラック」らしくなっていきました。
最後にProxmoxノードやネットワーク機器などをラッキング。
実際に機器を収めてみると、想像していたよりもラックらしく仕上がりました。
7. 作って分かった4つの失敗
今回のDIYでは、実際に作ってみないと分からなかったことがいくつもありました。
ここでは、これから同じようなラックを作る方の参考になるよう、失敗したところをまとめます。
失敗1|木材の横幅を間違えた
一番最初にやってしまったのが、木材の長さの間違いです。
19インチラックのマウント幅を基準に寸法を考えていたのですが、実際に木材を組み込んでみると、想定していた内寸になりませんでした。
「19インチだから、この長さにしておけば大丈夫」と考えていたのですが、木材の組み方や木材そのものの厚みを含めて考える必要がありました。
結果として、用意していた木材では長さが足りず、追加で木材を購入することになりました。
DIYでは、図面上の寸法だけでなく、「どの部材を内側に入れるのか」「木材の厚みがどこに影響するのか」まで考えておく必要があると実感しました。
これから作る場合は、木材を切る前に実際の組み方をイメージしながら、内寸と外寸の両方を確認することをおすすめします。
失敗2|12U目が使えなくなった
次の失敗は、ラックマウントレールの取り付け位置です。
今回は木製フレームにレールをできるだけピッタリ合わせて固定しました。
ところが、実際に機器をラッキングしてみると、一番上の12U目が使えなくなってしまいました。
レールを木台に近づけすぎたことが原因です。
数ミリ程度の余裕を持たせておけばよかったと思います。
現在はワッシャーをかませて固定しているため、数ミリ程度であればレールを移動できる余地があります。
次回のメンテナンス時に、レールの位置を調整する予定です。
「取り付けられる位置」だけを見るのではなく、「一番上・一番下まで実際に機器を取り付けられるか」を確認してから固定するべきでした。
失敗3|奥行400mmのラックマウントケースが傾いた
今回の設計で特に反省しているのが、奥行方向の支えです。
奥行400mmのラックマウントケースを前側だけで固定したところ、最初は問題ありませんでした。
しかし、時間が経つにつれて、ケースの後方が少しずつ下がってきました。
ラックマウント機器は前側の耳の部分だけで固定できるように見えますが、木製ラックでは荷重のかかり方にも注意が必要でした。
そこで、後からラックの奥側に支えとなる木材を追加しました。
これで後方を支えられるようになり、現在は問題なく使用できています。
奥行きのある機器をラッキングする場合は、最初から後方の支えを設計に入れておくべきでした。
失敗4|木材を加工せず、そのまま使った
最後は、木材そのものについてです。
今回は1×4材をカットしたあと、やすり掛けや塗装をせず、そのまま使用しました。
製作当初は特に問題ありませんでしたが、時間が経つと湿気の影響で木材が少し歪んできました。
現時点では機器をラッキングして使用するうえで大きな問題はありません。
ただ、見た目や耐久性まで考えるのであれば、木材をやすり掛けして表面を整えたり、塗装などの処理をしておいたほうがよかったと思います。
今回は「まず作ってみる」ことを優先しましたが、次に木製ラックを作る機会があれば、このあたりも改善したいところです。
8. 完成後に使ってみて
実際に完成したラックを使ってみると、思っていたよりもうまくできました。
これまで使っていた竹製ラックでは、下段のサーバーへアクセスするために上の機器を移動させる必要がありました。
今回のラックでは、それぞれの機器をラックにまとめられたため、以前よりもメンテナンスしやすくなりました。
UPSもラック内に収められたので、デスクの足元に置いていた機器を整理できたのもよかったところです。
一方で、実際に使ってみたことで分かった課題もあります。
特にラックマウントレールの位置や、奥行方向の支えについては、最初の設計段階でもう少し考えておけばよかったと思います。
今回の経験は、次にラックを製作するときに生かしたいと思います。
また、レールの長さを変えれば、ラック部分をさらに拡張することもできそうです。
現在ラックの上に置いているネットワーク機器についても、将来的にはラッキングしてみたいと考えています。
9. まとめ|DIYだからこそ自分の環境に合わせられる
今回、1×4材を使って自宅ラボ用の木製19インチラックをDIYしてみました。
実際に作ってみると、寸法を間違えたり、レールの位置を失敗したり、後から補強が必要になったりと、いくつか問題もありました。
特に、ラックマウントケースの形状や奥行きによっては、今回と同じ方法でうまく固定できない可能性があります。
そのため、この設計をそのまま使えばどんな機器でも取り付けられる、というものではありません。
私が使用しているラックマウントケースでは問題なく使用できていますので、これから自宅ラボ用のラックをDIYしてみたい方は、一例として参考にしてもらえればと思います。
DIYの良さは、自分の環境に合わせてサイズや構造を決められること。
市販のラックでは「少し大きい」「この場所には入らない」「ここにUPSを置きたい」といった問題があっても、自作なら自分の環境に合わせて調整できます。
今回のラックも、まだ完成形ではありません。
これから自宅ラボの機器が増えていけば、さらに改良していきたいと思います。
この記事が、自宅ラボのラックをDIYしてみたい方の参考になれば嬉しいです。