
自宅ラボでサーバーを24時間運用していると、気になるのが「突然の電源断」です。
サーバーやネットワーク機器が増えてくると、「UPS(無停電電源装置)は本当に必要なのだろうか?」と考える人もいると思います。
実際、YouTubeなどでUPSについて調べてみると、導入したものの「自分の環境では必要なかった」「結局使うのをやめた」という意見も見かけます。
そのため、すべての自宅ラボにUPSが必須だとは思いません。
しかし、必要な環境なら使う価値があるというのが、実際に自宅ラボを運用している私の結論です。
私の場合は、仕事での経験もあり、壁のコンセントから供給される電力が一瞬途切れる「瞬電」によって機器が停止するリスクを意識していました。
瞬電や停電のたびにサーバーが突然落ちる環境は避けたい。
そんな理由から、自宅ラボにもUPSを導入しています。
今回は、私が自宅ラボにAPCのUPSを導入した理由と、実際にどの機器をUPSで保護しているのかを紹介します。
そもそも自宅ラボにUPSは必要なのか?
結論から言うと、環境によっては必要だと思っています。
もちろん、UPSがなくても自宅サーバーを運用することはできます。
普段から停電がほとんどなく、サーバーが突然停止しても特に問題がないのであれば、UPSを導入する優先度はそれほど高くないかもしれません。
一方で私の場合は、電源が突然落ちることを実際に経験してきました。
仕事でも、電源の瞬断や停電によって機器が停止することを想定した環境を扱うことがあります。
家庭用のコンセントだからといって、必ずしも電源が安定して供給され続けるとは限りません。
停電はもちろん、雷やその他の原因によって一瞬だけ電力供給が途切れる可能性もあります。
自宅ラボでは、
- Proxmoxクラスタ
- NAS
- 仮想マシン
- ネットワーク機器
など、複数の機器が連携して動いています。私の環境でも、複数のProxmoxノードを中心にサーバーやネットワーク機器を運用しています。
そのため、単純に「PCの電源が落ちた」だけでは済まない場合もあります。
特に仮想マシンやストレージを運用している場合、できることなら正常な手順で停止したいところです。
もちろんUPSは永久に電力を供給してくれる装置ではありません。
しかし、突然の電源断を回避し、安全に停止するまでの時間を確保するという目的であれば、私の環境では十分に価値があると考えています。
停電を経験した
UPSを導入する理由の一つは、実際に停電を経験していることです。
私が住んでいる地域では、豪雨や台風、雷などの自然災害によって停電した経験があります。
「自宅だから大丈夫だろう」と思っていても、自然災害による停電はいつ発生するか分かりません。
実際に停電すると、当然ながらコンセントから電力を供給されている機器はすべて停止します。
一般的なPCであれば、作業中のデータが消える程度で済むこともあるでしょう。
しかし、自宅ラボでは複数のサーバーが常時稼働しています。
Proxmox上では複数のVMやLXCを動かしており、DNS、監視、Nextcloud、Immich、AI関連サービスなど、さまざまなサービスを運用しています。
これらが停電によって一斉に突然停止するのは、できるだけ避けたいと考えていました。
UPSがあれば、停電が発生した瞬間にすべてが停止するわけではありません。
短時間ではありますがバッテリーから電力を供給できるため、その間に状況を確認したり、安全に停止したりするための時間を確保できます。
私にとってUPSは、「停電してもそのまま運用を続けるための装置」というよりも、突然電源が落ちることを防ぐための保険に近い存在です。
意外な敵は家族の家電同時使用
自然災害による停電も心配ですが、自宅ラボを運用していて意外だったのが、もっと身近な問題でした。
それが、家庭内での家電の同時使用です。
朝や夕方など、家族がそれぞれ家電を使う時間帯があります。
例えば、
- 電子レンジ
- オーブントースター
- 電子ケトル
- ドライヤー
といった消費電力の大きい家電です。
これらが同時に使用されることで、これまで何度かブレーカーが落ちた経験があります。
ブレーカーが落ちれば、自宅ラボも当然突然停止します。
自宅ラボのために家族へ「家電を同時に使わないで」とお願いするのも現実的ではありません。
電子レンジやドライヤーを使うことは、普通の生活の一部です。
サーバーを守るために家族の生活に制限をかけるのは避けたい。
だからこそ、サーバー側で電源断に備えることにしました。
ブレーカーが落ちた場合でも、UPSが動作すればサーバーはすぐには停止しません。
その間に電源が復旧すればそのまま運用を継続できますし、復旧しない場合でも安全に停止するための時間を確保できます。
自宅ラボを運用する上では、自然災害だけでなく、こうした日常生活の中で発生する電源トラブルも考える必要があると感じています。
APC UPS 500を中古で購入
そこで導入したのが、APCのUPS 500です。
購入したのは2025年2月。
ヤフオクで中古品を購入しました。
購入価格は16,500円でした。(たぶんもっと安いのもあります。)
新品のUPSは比較的高価ですが、中古であれば導入コストを抑えることができます。
ただし、中古UPSには注意点もあります。
それが、バッテリーの状態です。
UPS本体は問題なく動作していても、内部のバッテリーは消耗品です。
実際、私が購入したUPSも使用を開始してから1年経たずに純正バッテリーがダメになりました。
中古UPSを購入する場合、本体価格だけでなく、
「バッテリーを交換することになる可能性がある」
という点も考えておいたほうがよさそうです。
互換バッテリーに交換した
純正バッテリーが使えなくなったため、互換バッテリーを購入することにしました。
購入したのは楽天で販売されていた互換バッテリーです。
・LONG WP1236W 2個セット(産業用鉛蓄電池)【サイクルバッテリー】
純正品よりも価格が安く、同じAPC製UPSで問題なく使用できたというレビューも参考にしました。
購入時の価格は7380円でした。(参考までに)
UPSのバッテリーは、単純に「安ければ何でもいい」というものではないため、実際に同じ機種や同じメーカーのUPSで使用した人のレビューは参考になります。
そして、2026年1月4日にバッテリーを交換しました。
(互換バッテリーへの交換は保証等はありませんので、自己責任になります。)

古いバッテリーについても、購入した販売店で有料回収に対応していました。
回収費用は1個550円。
バッテリーは一般的なゴミとして簡単に処分できるものではないため、回収サービスがあるのは助かりました。
今回は2個セットを購入したのですが、最初はなぜか1個しか届かないというトラブルもありました。
販売店へ連絡したところ、その後もう1個も送ってもらうことができました。
結果的には無事に2個そろい、UPSのバッテリーを交換できました。
中古UPSを使う場合は、
- 本体価格
- バッテリーの状態
- 交換用バッテリーの価格
- 古いバッテリーの処分方法
まで考えておくと安心だと思います。
本体を安く購入できても、すぐにバッテリー交換が必要になる可能性があるためです。
UPS 500で実際にどこまで守っているのか
現在、UPS 500にはすべての機器を接続しているわけではありません。
UPSの容量には限りがあるため、「何を優先して保護するのか」を考えて接続しています。
現在、主に接続しているのは以下の機器です。
Proxmox node ×3台
自宅ラボの中心となっているProxmoxノードです。
3台の自作PCでProxmoxクラスタを構成しています。
このノード上で複数の仮想マシンやコンテナを運用しているため、私の環境では優先的にUPSへ接続したい機器です。
NAS兼GPUサーバー
NASやGPUを使用する用途を持つサーバーもUPSへ接続しています。
Ryzen 5 3400G、64GBのメモリ、GPUなどを搭載した自作PCで、Proxmox VEを運用しています。
このサーバーも自宅ラボの重要な機器の一つです。
Proxmoxノードを接続するSAN用10GbEスイッチ
サーバーだけではなく、Proxmoxノード間で使用しているSAN用の10GbEスイッチもUPSへ接続しています。
停電時にサーバー本体だけが動いていても、必要なネットワークが先に停止してしまうと困るためです。
私の環境では、通常のラボ用ネットワークとは別に、SAN用のネットワークを構成しています。
停電が発生した際にも、仮想マシンやストレージ関連の処理に必要なネットワークを可能な限り維持することを目的として接続しています。
まだUPSにつないでいない機器
一方で、すべての機器をUPSへ接続できているわけではありません。
今後UPSで保護したいと考えている機器もあります。
- YAMAHA RTX1200
- メインL3スイッチ(Allied Telesis AT-x510)
- Proxmox Backup Server
- 管理PC(NEC Mate)
現在の自宅ラボには、メインのL3スイッチやバックアップサーバー、作業用PCなどもあります。
では、なぜこれらをUPS 500につないでいないのか。
理由は、UPSの使用率です。
現在の使用率は約40%。
数字だけを見ると、まだ余裕があるようにも見えます。
しかし、UPSでは単純に「容量に余裕があるから、接続できるだけ機器をつなぐ」という考え方にはしたくありません。
停電が発生した際には、UPSの負荷が少ないほど長く電力を供給できます。
私の場合、停電から復旧するまで待つ時間、または安全にサーバーを停止するための時間を確保したいと考えています。
そのため、あえてUPS 500には重要な機器を優先して接続し、ある程度の余裕を残しています。
ネットワーク機器用にもう1台UPSを購入
サーバー用のUPSとは別に、ネットワーク機器用として別のUPSも購入しています。
2025年11月には、APC UPS RS400Sを中古で購入しました。
こちらは、ネットワーク機器をUPSで保護することを目的として購入しました。
ただし、記事執筆時点ではまだ本格的な運用には使用していません。(バッテリー交換待ち…)
今後は、
- RTX1200
- メインL3スイッチ
- その他のネットワーク機器
などを別系統のUPSへ接続することを検討しています。
サーバーとネットワーク機器を1台のUPSにすべて接続するのではなく、用途ごとにUPSを分けることで、容量やバックアップ時間を考えやすくなるのではないかと考えています。
UPSを使ってみてどうだったか
実際にUPSを導入して感じた一番のメリットは、やはり安心感です。
停電が発生した瞬間、何の対策もしていなければサーバーは突然停止します。
しかしUPSがあれば、少なくとも「その瞬間にすべてが落ちる」という状況は避けられます。
突然電源が落ちない安心感
自宅ラボを24時間動かしていると、常に停電を心配しているわけではありません。
しかし、雷や自然災害、家庭内のブレーカー落ちなどは、自分では完全に防げない問題です。
UPSがあることで、
「もし電源が落ちても、すぐにはサーバーが停止しない」
という安心感があります。
復旧または安全な停止までの時間を確保できる
UPSの役割は、長時間サーバーを動かし続けることだけではありません。
短時間でも、
- 電源が復旧するか待つ
- サーバーの状態を確認する
- 必要に応じて安全に停止する
という時間を確保できます。
私にとっては、この時間を確保できることがUPSを導入した大きな理由です。
24時間運用するなら精神的な安心感が大きい
自宅ラボは趣味として始めた環境ですが、現在では複数のサービスを常時動かしています。
そのため、「突然落ちても仕方ない」と割り切るよりも、できる範囲で対策しておきたいと考えています。
UPSは必ずしもすべての人に必要な機器ではないと思います。
しかし、
- 停電を経験したことがある
- 雷が多い地域に住んでいる
- ブレーカーが落ちることがある
- 24時間サーバーを運用している
- 突然の電源断をできるだけ避けたい
という環境であれば、導入を検討する価値はあると感じています。
まとめ|自宅ラボにUPSは必要なのか?
私の結論は、必要な環境なら導入する価値があるです。
私の場合は、自然災害による停電を経験したことに加えて、家族が家電を同時に使用したことでブレーカーが落ちることもありました。
自宅ラボを守るために家族の生活を制限することはできません。
だからこそ、サーバー側で電源トラブルに備えることにしました。
現在は、APC UPS 500を中心に重要なProxmoxノードやNAS兼GPUサーバー、SAN用ネットワーク機器を保護しています。
すべての機器を接続するのではなく、使用率を約40%に抑えながら、停電時に復旧または安全に停止するための時間を確保するという運用です。
また、中古UPSを購入したことで、バッテリー交換という経験もしました。
中古UPSは導入費用を抑えられる一方で、バッテリーの状態や交換費用も考える必要があります。
それでも、停電やブレーカー落ちが発生した際に「突然すべてのサーバーが落ちる」という状況を避けられる安心感は大きいと感じています。
自宅ラボの規模が大きくなるにつれて、サーバー本体だけでなく、ネットワークや電源についても考えることが増えてきました。
次はネットワーク機器用として購入したUPSの運用も進めながら、自宅ラボ全体の電源構成も少しずつ改善していきたいと思います。
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